2015年の湘南キャンパス
建築家 山田守
Posted on 2015.12.1
Last Update 2019.12.3
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Tag アーキリード
平成27年は東海大学湘南キャンパスで大きな出来事が2つありました。ひとつは9月に日本建築学会大会が開催されたことです。全国の建築研究者や建築家が集まるイベントで山田守を再発見して頂くきっかけになったことは大きなことでした。私は期間中3日連続でキャンパスツアーのご案内をさせて頂きましたがいずれも予想を超える方に集まって頂き感激した次第です。設定時間が昼の1時間だけだったので、広いキャンパスを少し早歩きしたためお疲れになった方も少なくなかったと思われ、たいへん恐縮でありました。しかし山田以後の巨大新校舎が多くなったキャンパスにおいても、古くなってもなお存在感を持つ山田守の設計は素晴らしいものがあります。
もうひとつの出来事は、4月にキャンパス内で初めて山田守建築である研究実験館A.Bの二棟が解体されたことです。今までは新校舎が建てられても空き地に建設されていましたが、今回は19号館を新築するための解体になりました。研究実験棟はAからHの8棟ありますから解体に対し慎重な姿勢が無かった可能性もありますが、解体した実績ができたのは心配な状況になりました。あの、大学にお金が無かった60年代に松前重義と山田守らが苦労して造っていった校舎であり、東海大学の歴史の証人でもあるこれらの建築群を大切にしてほしいと切に願います。
(文:東海大学OB 東京家政学院大学 大宮司勝弘)